英語学習をしていると、「シャドーイング」という言葉を聞くことがあるはずです。
でも、シャドーイングってどんな勉強法なのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では以下のような内容について解説します。
この記事を読めば、シャドーイングのやり方だけでなく、効果やコツまで詳しくなれますよ。
- シャドーイングの内容
- シャドーイングのやり方・コツ
- シャドーイングにおすすめの教材
シャドーイングとは
シャドーイングとは、一瞬遅れて音声を口で再生する勉強法のことをいいます。
元々は通訳者が行っていた勉強法ですが、通訳の力だけでなくリスニングの力も強化できることが研究でわかっています。
シャドーイングを行う際は、
- 強勢(アクセント)
- リズム
- イントネーション
を素材の音声から真似ることが大切です。
また、シャドーイングにはいくつかのやり方があるので代表的なものを挙げておきます。
シャドーイングの名称 | 内容 |
---|---|
プロソディ・シャドーイング | 主に音声を認識することに重きを置いたシャドーイング |
コンテンツ・シャドーイング | 主に音声の意味内容を認識することに重きを置いたシャドーイング |
マンブリング | ブツブツつぶやくシャドーイング |
サイレント・シャドーイング | 声が出せない状況で、口パクで行うシャドーイング |
シャドーイングのやり方
シャドーイングをいきなり始めても、おそらくうまくいきません。
シャドーイングには準備が必要で、相当な上級者でなければ、いきなりでは難しいからです。
ここでは、結果の出るシャドーイングのやり方について詳しく解説していきます。
- リスニングで概要をつかむ
- マンブリングで音に注意する
- 素材文を読み意味を理解する
- シャドーイングを行う
1.リスニングで音声の概要をつかむ
最初に素材音声を聞き、内容や音声の特徴をつかみます。
リスニングの回数の目安は4~5回で十分です。
この後も音声を聞くことになるので、あくまで概要を把握する程度で十分です。
2.マンブリングで音に注意する
ここからは実際に声を出す練習をします。
まずはマンブリングを行います。
上でも紹介しましたが、マンブリングとは音声に注意してブツブツつぶやくシャドーイングです。
この時、テキストは見ないようにします。
マンブリングでは、自分の声よりも聞こえる音に注意することが重要です。
3.素材文を読み意味を理解する
次に素材文を音声に合わせて音読し内容を完全に理解します。
この段階で意味内容を把握し、わからないところがないようにしましょう。
4.シャドーイングを行う
最後にシャドーイングを行います。
テキストを見ずに、音声の
- 強勢
- イントネーション
- リズム
などを忠実に再現するようにしましょう。
十分に音声を再現できるようになったら、音声の意味内容に集中してシャドーイングを行います。
発話者になったような感覚でシャドーイングを行いましょう。
ここでは、回数よりも時間で区切って勉強するのがおすすめです。
シャドーイングのコツ
次にシャドーイングのコツを紹介します。
シャドーイングは効果の高い勉強法ですが、以下のポイントを守ると効果が増加します。
- 英語の基礎ができてから始める
- 簡単な素材から始める
- まずは音声を再現することに集中する
- 1回30分程度で集中して行う
順に解説していきます。
英語の基礎ができてから始める
シャドーイングは応用的な英語学習法です。
英語の基礎ができていない状態でシャドーイングを行っても効果は出にくいです。
目安として、TOEICのスコアで600点以上になってからシャドーイングを始めるようにしましょう。
それまではディクテーションなどでリスニング学習を行うのがおすすめです。
ディクテーションについては以下の記事で詳しく解説しています。
簡単な素材から始める
シャドーイングは難易度が高い学習法です。
複雑な文章や、速度の速い音声素材だとシャドーイングが非常に困難になります。
そのため、自分の実力より数段下の素材から始めるようにしましょう。
まずは簡単な素材でシャドーイングができるようになってから、教材のレベルを上げるのがおすすめです。
まずは音声を再現することに集中する
シャドーイングを行う際、まずは音声を聞いたまま再現するように心がけて、音声の意味は考えないようにしましょう。
意味を考えてしまうと、音声を正しく真似ることができなくなってしまうためです。
シャドーイングを繰り返して、音声が再現できている感覚がつかめてから意味内容を考えるようにします。
まずは、音声のイントネーションやリズムなどをまねて再生することを意識しましょう。
1回30分程度で集中して行う
シャドーイングは1回30分以内と決めて行いましょう。
シャドーイングは英語学習法の中でも非常に負荷の掛かるトレーニングだからです。
そのため、しっかり集中して行えば長時間は続けられません。
短時間でも十分学習効果はでるので、集中して行いましょう。
シャドーイングの効果
シャドーイングを行うとどんな効果が期待できるでしょうか。
シャドーイングのポジティブな効果には以下が挙げられます。
- 発音の向上
- リスニング力の向上
- 語彙力の向上
- コミュニケーションスキルの向上
- 文法力の向上
発音の向上
シャドーイングではネイティブスピーカーの発音やリズムを真似ることは上で説明しました。
その結果、発音やリズム、アクセントなどの向上が期待できます。
また、抑揚なども真似るので、スピーキングがネイティブスピーカーにより近くなります。
リスニング力の向上
シャドーイングは、話者の発音を聴き取って発声するため、リスニング力が向上します。
集中して聴き取りをするため、通常のリスニングより効果は高くなります。
リスニング力の向上に関していえば、シャドーイングは英語学習法の中でも効果の高い部類に入ります。
語彙力の向上
シャドーイングを行っていると、英語の表現力が向上します。
これは、シャドーイングでさまざまな音声を聞くうちに、知らない表現を覚えることができるためです。
スピーキングやライティングで使える表現が増えるのは嬉しい効果ですね。
コミュニケーションスキルの向上
シャドーイングで英語のスピーキングに慣れると、コミュニケーションの力も上がります。
スピーキングに慣れることで、自信を持って英語が話せるようになるためです。
英会話をしている時に、効果を実感できるはずです。
文法力の向上
シャドーイングでは、英語の文法力も向上します。
正しい文法の素材を音読するため、文法的に正しい英語が話せるようになるためです。
また、英語のライティングでも正しい英語が書けるようになります。
シャドーイングの効果は英語での発信に役立ちます。
シャドーイングにおすすめの教材
シャドーイングの効果を上げるには、教材の選び方も重要です。
ここでは、
- シャドーイングにおすすめのアプリ
- シャドーイングにおすすめの本
を紹介していきます。
基本的には、アプリの方が携帯性や勉強効率の点でおすすめです。
シャドーイングを理論的に学びたい方は書籍での学習をおすすめします。
シャドーイングにおすすめのアプリ
シャドーイングを外出先で行うには、スマホアプリで音声やテキストを用意するのがおすすめです。
手軽に持ち運びができる上、慣れてしまえば操作も簡単だからです。
シャドーイングにおすすめのアプリについては以下の記事で詳しく解説しています。
シャドーイングにおすすめの本
シャドーイングを学ぶには本もおすすめです。
特にシャドーイングについて理論的に学びたい人には書籍の方がアプリよりも情報量も多いため、おすすめです。
決定版英語シャドーイング
決定版英語シャドーイングは、
- シャドーイングの理論を説明する第1部
- シャドーイングを実践する第2部
に分かれていて、シャドーイングについて余すところなく解説しているのが特徴です。
シャドーイングの理論から、みっちり学びたい人におすすめしたい一冊です。
TOEICリスニング満点コーチが教える 3ヶ月で英語耳を作るシャドーイング
3ヶ月で英語耳を作るシャドーイングは、決定版英語シャドーイングに比べると易しい解説が特徴です。
また、理論というよりは実践を重視しています。
シャドーイングにすぐに取り組みたいという人には、こちらの一冊がおすすめです。
英語のシャドーイングに関するよくある質問
シャドーイングは1日何分やればいいですか?
シャドーイングは集中して行えば1日15分でも十分な効果がでます。
シャドーイングでは時間より質を重視するのがおすすめです。
何分やったかではなく、どのくらいの密度でシャドーイングができたかを重視しましょう。
効果的なシャドーイングで英語力を上げよう!
ここまでの内容をまとめると以下のようになります。
- シャドーイングのやり方
- シャドーイングのコツ
- シャドーイングにおすすめの教材
シャドーイングは総合的な英語力を上げる勉強法です。
ぜひ効果的なシャドーイングを行って、英語力を爆上げさせましょう!